あのんの辞典

 

 

「い」

 

 

【言い換え】(いいかえ)名詞 不適切な言葉を適切な言葉にかえること。あるいは適切な言葉を不適切な言葉にかえること。言い換えの主張は双方の場合とも発生するが、それが大多数の者に狂信的と映るのは当然に常に後者である。

 

【いいがかり体質】(いいがかりたいしつ)名詞 いいがかりによって利益を得ようとする体質のこと。この体質を持つ人や組織や民族や国は、いいがかりによる利益を重要な収入源としているので、他者から嫌われている度合いの顕著さを斟酌するつもりはない。死んだり崩壊したり消滅することが期待と喜びを持って待たれている。(→たかり体質

 

【言い訳】(いいわけ)名詞 すらすらと言い訳できる人は、たぶん毎日その練習をしている。

 

【いかさま宗教】(いかさましゅうきょう)名詞 証明する義務のないことを言い放っていればいいので、こわいものはない。おまけに、舌一枚ですむのだから利益率に上限はない。

 

【怒り】(いかり)名詞 人は怒るとその姿は醜くなる。ところが世の中には、怒るとますます美しくなる人が時たま出現する。すると多くの人たちがその人物のあとに続き怒り、世界をかえる。

 

【行く】(いく)動詞 別のある言語では「来る」の意味の動詞が遣われたりする。その理由は言う本人に尋ねるとよろしかろう。

 

【意見】(いけん)名詞 良い意見はたくさんあるが、七割は言う相手を間違えているし、二割はわざと違う相手に言っている。しかし残りの一割だけでも聞くべき相手に伝わっているならよしとしよう。(→忠告

 

【威厳】(いげん)名詞 命をかけて戦う場を持たない者に威厳が備わるはずがない。護らなければならない者のために男たちが命を投げ出す場所が用意されていない社会で、男たちが威厳を保てるはずがない。

 

【意見の交換】(いけんのこうかん)名詞・格助詞・名詞 言葉やお金や鉄砲の弾などによる意見の交換があり、その手段がなにであるかによって意見が交換される世界を分類することが可能である。

 

【意志薄弱】(いしはくじゃく)名詞 「せねばならんのだがなあ」。そう思いつつとりかからない。あるいは、やり始めるもののほぼ即座に挫折する。笑われてもしかたない、わたしのことである。「それを成し遂げようとする意志の形成に失敗しておるからであるな」と親切な人は教えてくれる。うわーん。「意志の形成とその維持」なんか、意志薄弱であるわたしには無理であーる。しかし不思議なことに禁酒・禁煙・減量には成功しておる。「意志・目的・努力うんぬん」にかかわってくると気にしてこだわって縛られてうまくいかないわたしであることを考えると、これらの成功にはどうやら「自分の意志や目的や努力」に触れないようにしたことが寄与しているようだ。きっかけがあって「よし、やるぞ」と決心し、その決心以降は誘惑を排除する行動を少しはとったが、「それがない状態の習慣化になにも考えず自分を置く」ことに向かっていた。「習慣化に努力を持ち込むと葛藤が生まれる」、「そのことを考えたら負け」ということであるな。なにも考えていないので意志や目的や努力には無縁で、ただそうなるようにそうなった。意志薄弱なわたしにはこの方法ぐらいしかないんだろうなあ。

 

【いじめ】(いじめ)名詞 いじめられて子供が自殺したという事件を知るとわたしは非常に悲しい。わたしも子供のころはおとなしい小心者でいじめられたこともあった。長じて智恵がつくとわたしは「怒り方」を覚え、よっぽどの馬鹿でなければわたしを不快にさせるようなことはしなくなった。さて、わたしはいじめられて自殺するような子供がいなくなる確実な方法をここに書くことにする。「いじめられて自殺するつもりなら、死ぬ前にいじめた相手を殺して死ね」と教える。「自分が死ぬのは、相手を殺してからにする」と決心させる。あほ子供でも自分は殺されたくないだろうからいじめるのをやめる。やめないあほ加減なら早く死んだほうが世のためである。

 

【衣食住】(いしょくじゅう)名詞 最低限を生活に支障がないところに設定できる人は足ることを知っているが、他人の目にどう映っているかを基準にしている者は、どのような程度であっても自らの業火にあぶられ続けている。

 

【衣食足りて礼節を知る】(いしょくたりてれいせつをしる)俚諺 世の中には、衣食が足りているのに礼節を知らない人がいる。さらには、衣食を自身で十分確保できる能力がありながらそれをせずに他人にたかり無礼をはたらく人もいる。なお、この文章中の「人」は「国」の間違いではないかと指摘される可能性を当辞典編纂者は自覚している。

 

【いじわる】(いじわる)名詞 「あなたはとてもいじわるだ」との意味の言葉を言って相手を喜ばせることができるようになったら、女も一人前だ。

 

【イスラム教】(いすらむきょう)名詞 同根のキリスト教とくらべ、温和で寛容さが特筆される宗教である。歴史上、また現在、人類全体に重要な影響を及ぼすイスラム教にまつわる事柄でいろいろな問題を惹起させている原因の大部分は、もともとキリスト教側の傲慢さからきている。

 

【依存性】(いぞんせい)名詞 「快とそれを手に入れるための難易度の積」と「依存性」は比例する。 「依存性」を「興味の度合い」という言葉に置き換えると、たとえば「恋愛」なるものに血煙をあげて驀進する女たちの性欲の強さやすけべさの程度がよく理解できる。当人が頑強に否定しようが。

 

【一万冊】(いちまんさつ)名詞 読書量はある程度指標となる。とりあえず死ぬまでに一万冊読むことを心がけるようにすればよろしかろう。どんな馬鹿でも五千冊を超える頃には「何を読まなければいけないか」ぐらいはわかるようになる。それがわかるようになるまでの前半は準備運動である。後半は自分の寿命と能力を勘案しながら「読書を楽しめ!」。

 

【一家言】(いっかげん)名詞 ばかにするとかわいそうだとまわりの人から思われている者が持っている主張や意見などのこと。

 

【一神教】(いっしんきょう)名詞 一神教は論理的に「虚偽体系」でしかありえない。われわれの住むこの世界体系も自己言及のパラドクスを発生させる世界ではあるが、一神教の教理のように虚偽で人を騙すことはしない。積極的に欺罔を用いていることで犯罪者と呼称されてもしかたない。

(なお、アミニズムや多神教は論理的には整合性を保っている。また、わたしは仏教の大乗運動の発生は「疑似一神教化もどき」と理解している。狂信者の多い仏教系きちがい宗教は実質的にほぼ一神教と判断してよい)(→注釈)(→神の存在証明

 

【一神教教】(いっしんきょうきょう)名詞 その一神教を至高としほかの全てを排斥する教えを仮に「独善的一神教」と名づける。これを拡張し、形式的に一神教でない宗教であっても実質的にこの「独善的一神教」と同様の教義を持って活動をする団体とその教えをも指し示すとする。さらに拡張し、思想的政治的団体も「独善的一神教」と同様の基盤で同様の活動をするのならこう呼ぶことにする。これらを総称して「一神教教」とすると、かなり多数の頭のおかしい連中をひとまとめにすることができる。なぜこのように意味不明のことを叫び続けているのかがすっきりとわかり、理解の助けになる。多様な意見の存在を前提とし、それらを調整しようとする仕組みの「民主主義」と一神教教は当然ながら排他的に対立する。なお、「克伐怨欲」という性質を持つ一神教教でない個人や団体は存在するが、一神教教であれば必ず「克伐怨欲」の性質を持つ。(→克伐怨欲

 

【一発】(いっぱつ)名詞 値段を聞いていい場合と、聞いてはいけない場合がある。そして、聞いてはいけない場合のほうが必ず高くつく。

 

【一夫一婦制】(いっぷいっぷせい)名詞 生物学的な一夫多妻制に人類社会の各要素の標準平等化の圧力が加わり、暫定的に行われている社会制度のひとつ。落ち着くところに落ち着いたやり方を制度として運用するまで人類の頭は賢くなったが、しかしあくまで制度の一つなので、従わなければならないと考えている人たちや従うべきだと考えている人たちはその制度を尊重し従うが、それらは自由意志という権利の行使であるので、誰もそれに文句を言わない。

 

【遺伝子】(いでんし)名詞 破壊と殺戮の遺伝子しか持ってない集団・団体・政党がなぜ「平和」という言葉を口にするのか。もちろん、ひたすらだまし続けて破壊と殺戮を行い抜くためである。

 

【いなす】(いなす)動詞 相手が不快に感じないように冗談めかして責任を全部相手におっかぶせるのがうまい方法である。「初草のなどめづらしき言の葉ぞうらなくものを思ひけるかな」(伊勢物語・四十九段)

 

【命知らず】(いのちしらず)名詞 それが自分に全く関係のない世界でなら、「こんな人もいるんだなあ」ですむ。そしてもちろん、葬式の日取りは知りたくもない。

 

【命の値段】(いのちのねだん)名詞・格助詞・名詞 「この言葉を認めるか認めないか」から「具体的な金額」まで、すべて価値の意味の問題に収斂する。自分が大切に思っている人についてはこの言葉は認めないだろうが、できるだけ早く死んで欲しい人については「いくらだったら殺し屋は引き受けてくれるだろう」で案外簡単に算出できたりする。

 

【祈り】(いのり)名詞 祈ることを知らない者は祈る必要がないという意味で幸福だが、いざその必要が生じたとき、祈る相手から無視されるかもしれない。敬虔さには普段から親しんでおいたほうがいい。

 

【衣服をまとった事実】(いふくをまとったじじつ)造語 「着た事実」とも。(→二つの事実

 

【違法性阻却事由】(いほうせいそきゃくじゆう)名詞 正当防衛と緊急避難は違法性阻却事由である。なにが正当防衛であり、なにが緊急避難であるか、常識のある大人ならわかっているはずである。そして、法的地平と常識世界は文化に基づいている。われわれはわれわれの住む世界の文化ですべてを判断できる。むしろ、われわれの視界に入るものについてはすべてわれわれが判断しなければならない。そうでなければ、われわれはこの世界に生きているとは言えない。

 

【意味不明】(いみふめい)名詞 

 

【嫌がらせ】(いやがらせ)名詞 自分を含めて誰の利益にもならないが、相手が嫌がるという理由だけで行われる行為。唯一の自己表現の手段がこれであるような連中によって好まれる。

 

【卑しさ】(いやしさ)名詞 自分が持っていないという理由で持つ者に憎しみをつのらせる者がいる。自分がそうでないという理由でそうである者を貶めようとする者がいる。このような者たちは、協調による平和と安定を嫌い、支配による略奪と殺戮を好む。自らの矮小さを受け入れる度量に欠け、その心の卑しさが協調の結果に埋没する自分に我慢できない。権力と一体化することで自己の肥大化を望み、万能化した虚像に陶酔を求め、自分が支配できないことを拒否する。そのような者たちに、なぜこのような自分が生まれてきたか、一度両親に尋ねてみることをすすめたい。もし両親がすでに死亡しているのなら、どうすれば両親のいるところへ行って質問できるか頑張って考えて欲しい。

 

【嫌らしい】(いやらしい)形容詞 自らの道徳的欠陥を刺激する事象に遭遇したときに惹起される感情がその事象を形容するときに遣われる言葉。

 

【色】(いろ)名詞 日本語として古い色の名は「赤・青・白・黒」である。「赤い・青い・白い・黒い」と形容詞語尾「~い」(古語では「~し」)を直接つけることで形容詞になる。この形は四語しかない。他の色の名ではこれができない。形容詞になるほど熟しているわけである。次に古いのは「茶・黄」である。「茶色い・黄色い」と「~色い」をつけることで形容詞になる。この形は二語しかない。他の色の名ではこれができない。上記以外の色の名を使って色を形容するときは「~(色)の」という形でないとできない。形容詞にならんわけであるな。これは言葉にどれほど色がなじんでいるかを判断する手がかりになる。なお「色」という漢字の成り立ちはすけべなのでここには記さない。知りたければ漢和辞典を勝手にひくがよろしかろう。

 

【因果関係】(いんがかんけい)名詞 原因から結果への道筋に誰もが納得できる説明がある場合、原因と結果の間にこの関係が成立する。日々、妄想によって原因から結果を導いている者たちはこの言葉を憎むあまりに、この言葉を知っている者を一切相手にしないし、どうにかしてこの言葉を知らない者をせめて見つけ出そうと躍起になっている。

 

【飲酒】(いんしゅ)名詞 程度をわきまえた飲酒が望ましいが、程度をわきまえるという分別は愚行を避ける効用があるものの、ほとんどの場合、それは飲酒の楽しみを増加させてくれない。歌う奴、自慢話をする奴、議論を吹っかける奴、誰だ裸踊りをしてるのは、おお、あっちでは殴り合いが始まった。やれやれもっとやれ。がはははは。

 

 蒲萄美酒夜光杯

 欲飲尿意几上催

 酔臥酒場君莫笑

 古来鯨戦幾人回

 

(うむ。平仄があっておらん。おまけに同じ字を遣っておる。パロディ失敗作)

 

【陰謀論】(いんぼうろん)名詞 きわめてまれに無根拠で事実を指摘してしまうというまちがいをのぞくと、効率的に快楽を増進させうる自慰の快楽促進剤。このまちがいがなければ、陰謀論は昇華された純粋促進剤として結実してしかるべきものであるが、過誤により正鵠を得る可能性があるのでその地位は胡散くさいまやかしに堕してしまっている。

 

【引用】(いんよう)名詞 適切な引用はそれにかかわるすべての人に好ましいが、不適切な引用はそれを引用した者がばかにされるだけで終る。

 

【淫乱】(いんらん)名詞 性行動の様式手段方法度数等が平均から逸脱して異様であったり犯罪的であったり過度であったりする状態を指して言い、否定的な意味合いを持つ。この言葉は男性に対して用いられることはなく、それは男性がこの状態になるのには卓越した能力と涙ぐましい努力と恵まれた機会が必要であり、それらは事実上めったに得られないからである。一方女性の場合は、淫乱であることから逃れる努力を不断にしていないとすぐに淫乱になってしまう。これらは生まれつきそのようになっているのだからしかたない。

 

【印籠効果】(いんろうこうか)名詞 水戸黄門の印籠に平伏する者を見て爽快感が起こる現象をさす。(→印籠と承認欲求