あのんの辞典

 

 

「か」

 

 

【蚊】(か)名詞 ねぶたしと思ひて臥したるに、蚊の細声に名のりて、顔のもとに飛びあるくは、風さへさる身のほどにあるこそいとにくけれ。(能因本『枕草子』第二十五段)

 

【カーテン】(かーてん)名詞 あける必要がなければ普段常にしめている人もいるし、しめる必要がなければ普段常にあけている人もいる。また、その必要についてはとりたてて話題にするほどのことでもないというふりをして大人は深入りをしない。

 

【害悪自慰】(がいあくじい)名詞 他者に損害を与えることで快感を得る狂人の自慰のこと。(→印籠と承認欲求

 

【蓋棺事定】(がいかんじてい)熟語 世の中には各種の意見・考え方があるが、その内容には踏み込まないでそれらを持つ者を別の指標から見てみよう。即ち、その者が死亡したら悲しむ者が多いか喜ぶ者が多いか。そして歴史を振り返ってみよう。悲しまれた者はなにをしてきたか、喜ばれた者はなにをしたか。自分が死んだら喜ぶ者のほうが多い奴ほど、今日も大声をあげて人を騙そうとしている。

 

【解決】(かいけつ)名詞 問題はそれを解決することが目的であって、ある目的の成就がその問題の解決ではない。目的を解決にすりかえる欺瞞がなぜこうも世の中にあるのか不思議である。

 

【外見】(がいけん)名詞 中身があるのなら外見を気にする必要がないし、中身がないのなら外見を気にしても仕方ない、と言われて、もっともだと頷く人となぜか腹を立てる人がいる。

 

【外国語】(がいこくご)名詞 外国語を扱える能力は母国語を扱う能力を超えることはない。外国語の学習者でいつまでたっても自らの母国語の能力の貧しさに気づくことに至らない馬鹿は永遠の初学者である。恐ろしいことにこの種の馬鹿は、小さな本棚には少ししか本を並べることができないということを知ることはない。

 

【外国人排斥】(がいこくじんはいせき)名詞 礼儀正しい訪問者や善良な隣人としての外国人は当然ながらわたしたちは歓迎する。しかし、日本人を侮蔑し喧嘩をふっかけ窃盗暴行傷害殺人を犯す外国人に対しても、わたしたちは寛容な態度で接するべきだとの意見を口にする者たちがいる。そのような意見を表明する連中の背景を知れば、「日本及び日本人に害をなすことを信条としている宗教に罹患している」のがわかる。われわれは犯罪者とそれに類する連中から日本と日本人を護ろうとしているだけである。犯罪を犯す外国人が多いので外国人が警戒されるのは仕方ない。それを利用して「外国人全体を排斥しようとしている」との嘘を叫び続けて、日本破壊教信者は犯罪者擁護の活動で日本の社会を損壊しようと試みている。諸君。くれぐれも「それは外国人排斥だ」の言葉を口にする者に注意するように。

 

【外人】(がいじん)名詞 「外国人」の省略形。この「外人」という言葉を侮蔑語としてとらえている者がいると知って驚いた。なんという低能(事実指摘語。侮蔑語にあらず)であろうか。日本語には省略形を侮蔑の意味で遣う用法が存在しないので、少なくとも「外人」が「外国人」とは語源的に別個の意味の言葉であることを立証しないとその主張が成り立つ余地はない。

(日本語は音素の少ない言語で、短い言葉には「空き」がほとんどないので「省略形侮蔑語用法」は存在しない。英語のように音素が多いと短い言葉であっても「空き」があるので省略形を侮蔑語とする用法が存在する。これは日本語の同音異義語の多さを考えればすぐにわかるんだけどね。日本語で省略形が言葉として自然に成立するのは幸運なんだよ)

(英語の "Japanese" が "Jap" になると侮蔑語になる。日本語の「亜米利加人」が「米人」になってもただの省略語である。言語の仕組み自体がちがうんだけど、低能(事実指摘語。侮蔑語にあらず)さんはわからない)

 

【開戦】(かいせん)名詞 開戦をしてはいけない事情がないかぎり開戦はしなければならない。なぜなら、それが最良の選択肢であるからである。

 

【回転寿司】(かいてんずし)名詞 まず回転軸が問題となる。回転軸との位置関係によって遠心力の加わる方向が定まる。次に角速度により変形圧力の大きさが導かれる。加わる力の大きさが寿司の原型を保持する素材間の粘度を越える値に達すると、最初にネタがはずれ飛ぶ。そしてすぐさまシャリの最脆弱部から崩壊が始まり、これは短い時間で全体に波及する。あっ、という間に回転寿司は飛散し、寿司皿は音を立てて床を転がる。もったいないなあ。

 

【害毒】(がいどく)名詞 苦しい生活のなかでもささやかな楽しみを見つけることができるからといって、苦しい生活が楽しいわけではない。ばかやきちがいでもこの社会で生きていけるからといって、ばかやきちがいが社会の害毒になっていないわけではない。

 

【概念】(がいねん)名詞 (→二つの事実) 

 

【外来語】(がいらいご)名詞 訳語があるにもかからわらず原語の発音の片仮名表記で外来語を遣うのはやめたほうがいい。こいつ訳語も知らない馬鹿かと思われる。訳語を知らないということは意味を知らない無知かと思われる。そして実際はそんな連中はだいたい意味も訳語も知らない低能であることが多い。ま、八割はそうだ。

 

【快楽】(かいらく)名詞 愚かさの付随しない快楽はない。しかし、その愚かさの自覚は快楽の享受を阻害する。ゆえに、愚かさに対する鈍感さを持つ者がより快楽を楽しむことができる。しかし反面、愚かさは快楽のより高次の段階へ昇ることも妨げる。結局、快楽の追求とは、その時点での自らの愚かさを克服して、さらに大きな愚かさに向かいつつある自分を楽しむことに他ならない。

 

【会話】(かいわ)名詞 互いの世界認識のすり合わせにおもしろみを見つけたり作り出したりして、そのおもしろみを楽しむ行為。前提として各々に世界や認識に関して理解したり判断したり思索したりする能力が必要である。つまり、この能力を備えていない者がなんらかの発言をすると、実質的にそれは本人さえも説明できない意味不明な内容であるので、それを聞かされることは苦痛でしかない。

 

【会話限界】(かいわげんかい)造語 知的能力の差により、会話による意思疎通がきわめて困難になる彼我の隔たりを指す。「きわめて困難になる」とは即ち「意味不明」である。一般に、IQが20違うと日常的な雑談など以外ではこの会話限界が存在する。

 

【顔】(かお)名詞 なぜそのことをこんなにひたむきにしているのかの解答が多くの人によってその者の顔に発見されるような人がいる。あるいは、文明人の礼儀としてまさかこのことは発見してしまってはいけなかったのか。

 

【瓦解】(がかい)名詞 恣意的な選択による利益の配分に文句を言う権利が認められていない社会では、費やす労力と得られる利益の関係で、通常その社会のよりよい方向への変革よりも自分が社会で上昇することが選ばれる。結果、ますます社会の運営は恣意的になり疲弊し、やがて瓦解する。

 

【加害者】(かがいしゃ)名詞 時々、加害者が被害者に向かって、加害者の立場に立てと吠えたてることがある。きちがいか、きちがいを装っているかのどちらかである。

 

【科学】(かがく)名詞 わたしは「科学」を「その時代、その地域で最高の知恵で構成された体系である」という定義を勝手にしている。これは現代の「科学」を含むが、現代の一般的な「科学」からするとわたしの定義は受け容れられることはない。わたしの定義に従えば「宗教」であろうが「呪術」であろうが「過去の意味不明の迷信」であろうが立派な「科学」になってしまうのである。これに気づいたのは16歳のときだった。数学の無定義語や反証可能性の限界に影響を受けたのである(もちろん頭の仕組みのよくないわたしのことであるから、難しいことを理解したわけではない。上記の定義は「SFの設定」ぐらいに思って欲しい)。科学の厳密な解釈を求めて12歳で哲学へ導かれ、しかし13歳であきらめたので、わたしはその16歳の当時、興味はすでに宗教に移っていた。でも高校の定期考査で数学で100点を一度だけとったことがあったんだよ。

(一般に科学と宗教の違いは反証可能性を受け入れるかどうかであるが、逆の言い方をするとわたしは「科学とは反証可能性を受け入れた宗教」とこれまた勝手に定義している)

(→体系

 

 【鏡】(かがみ)名詞 その必要性が自己の容姿に対する願望に比例する顔や姿を映すもの。必要性の度合いの比例に似たものについては化粧品や虚栄心などがある。

 鏡には浅学非才馬の骨 ぴょぴょ

(後日、「咳一人浅学非才馬の骨」の句を得ました、とぴょぴょ。うむ、放哉であるな)

(さらに後日、「人集う博学多才銀の匙」をぴょぴょは詠んだ由)

 

【書く】(かく)動詞 書く能力は読む能力を上回ることはない。読んで十全に理解できない文章と同等以上のものは書けない、ぐらいは馬鹿でもわかる。読む能力が上がると書く能力も伸びる余地ができる。そしてまた、書く能力が上がるとより深く読めるようになるんだよ。

 

【覚悟】(かくご)名詞 え。君は死ぬ覚悟なしに生きているのかね。(→注釈

 

【革新】(かくしん)名詞 技術的分野では大幅な良い方向への進歩のこと。政治的分野では馬鹿を騙して混乱を広げること。

 

【拡声器】(かくせいき)名詞 拡声器が高価であったり希少であったりした時代では、拡声器の持ち主は平気で嘘をついた。それは嘘だという人々の声は小さすぎて、拡声器の持ち主は痛痒を感じなかった。インタネットの掲示板等の出現により誰でも小さな拡声器を持てるようになると、元の大きな拡声器の持ち主は人を騙しにくくなり、事実を指摘する人たちを貶めることでつりあいをとろうとしている。嘘つきであることをやめればいいのに。

 

【拡大再生産】(かくだいさいせいさん)名詞 生まれてこなかったほうがよかったと大部分の人に思われてしまう者が好んで勤しむ迷惑な自己複製のための行為。

 

【核武装】(かくぶそう)名詞 日本には核武装の選択肢があることを日本人は自覚している、ということを近隣諸国に知らしめるだけできちがいじみたことを日本に要求することは大幅に減る。なぜ日本は防衛努力をしないのか。

 

【革命】(かくめい)名詞 革命とは、若くて思慮分別がなく、体力があり元気で知識が不足している者たちにとっては、とても正しいものなのかもしれない。それは、利益のつりあいで権力が移動することを理解できるようになるまでのことだが。たぶんそのことは、昨日までの同志に殺される直前に多くの者が気づいたことだろう。

 

【学問】(がくもん)名詞 学問をすることの最大の動機は「自分が楽しむため」であるということに気づかない馬鹿は学問の道に進んではいけない。まわりの人にとって迷惑である。

 

【隔離】(かくり)名詞 伝染病患者を隔離することの意味がわかる能力があるのにもかかわらず、それに等しい対象をなぜ隔離しないのか、わたしは意味がわからない。

 

【学歴】(がくれき)名詞 入学試験に通り、必要な単位を取得すれば卒業できて、それを学歴として称することができる。入学試験や単位取得のためにはそれぞれに応じた能力と努力の積が最低限必要とされ、能力と努力の積が要求される水準に達しない場合は諦めるしかない。なお、能力と努力以外の問題で学歴を云々するのは、云々される学歴のほうがかわいそうである。

(学歴に関する問題提起で、なぜか常に無視されている重要な要素がある。すなわち、その問題提起内の「学歴」は「なにを目的としての学歴であるのかの措定がない」という点である。誰かは就職機会の足切りとし、誰かは収入の多寡と関係があったりなかったりとし、誰かは常識的教養の担保とし、誰かは幸福につながったりつながらないと主張する。ここで論じる「学歴」の効果や影響はなになに及ぶので、「とりあえず学歴の目的はなになにであるとして話を進める」と最初に宣言しておけば、その目的措定が適正であろうがなかろうが議論は前に進む。そうしないと話が拡散し味も匂いもないただの空気になってしまう。どう見るかによっていかようにも結論は変化するので、場合分けをしてから議論を始めるべきであろう)

 

【賭け】(かけ)名詞 勝つ見込みのある賭けをやっているようじゃあ、まだまだ初心者だね。けけけけけけ。

 

【賭けごと】(かけごと)名詞 賭けごとには儲ける方法と損をしない方法がある。儲けるためには胴元になることである。損をしないためには賭けごとをしないことである。職業としての胴元は普通の人には難しいことを考えると、賭けごとに対しては加わったり興味を持ったりしないことが平穏で安全な日常や人生をすごすわかりやすい秘訣の一つであろう。

 

【過激思想】(かげきしそう)名詞 動物愛護や菜食主義が過激になると左翼と区別がつかなくなる。本来の目的は置き去りにされ、手段のみが先鋭化していつの間にか社会の破壊がすり替わって目的となっている。これらは左翼とともに「きちがい宗教」としてすでに範疇化されているので間違えないように。

 

【過激派】(かげきは)名詞 暴行傷害殺人でないと満足を得られなくなってしまった自慰常習者のこと。

 

【傘】(かさ)名詞 ほんの少し前に選択しなかったことによって、ごく近い将来についての予測の能力のなさを証明してくれる、とんがったり円く開いたりするもの。

 

【かさね】(かさね)人名 芭蕉の『奥の細道』にこの名前の少女が出てくる。初めて読んだときに「これはすばらしく良い名前だ」と思った。しかしまたこの名前と同じ読みの人物が登場する怪談もあとで知った。「かさねとは八重撫子の名なるべし」と「累ヶ淵(かさねがふち)の話」。『奥の細道』しか知らない人にとっては「かさね」は良い名前である。「累ヶ淵の話」しか知らない人にとってはよくない名前であろう。両方知らない人は雰囲気のいい名前だと思うかもしれない。両方知っている人は先に知ったほうの印象に引きずられるかなあ。

 

【菓子折】(かしおり)名詞 安物ねもらって食べて文句言い  あのん

 

【賢い】(かしこい)形容詞 われわれが普通出会うたいがいの賢い者は自分が馬鹿であることがわかる程度だが、われわれがまず出会うことのないさらに賢い者は自分が賢いことが自分でわかる(らしい)。(→注釈

 

【仮説】(かせつ)名詞 人は未知の事柄については先ず仮説を立て、次にそれを立証しようとする脳の仕組みを持っている。しかし、これが成功するのは仮説を立てたり立証できる能力がある者に限られ、また解明された事象については少なくともそれらについての説明が理解できなければ正確な認識は不可能である。怠け者である大多数の人たちは証明を理解する努力どころか、仮説が仮説としてふさわしいかも考えようとしない。

 

【過大評価】(かだいひょうか)名詞 偶然に良い結果を連続して出せば、人は誰でも自分を過大評価してしまいがちだ。しかしこの世界には、良い結果を一度も出したことがなくても自らを過大評価をする者たちがいある。そして自分たちは世界一だと叫び続ける。なるべく近づかないでおこう。

 

【カタカナ】(かたかな)名詞 カタカナで「テツガク」や「カガク」や「ブンガク」と表記すると腹を立てる人がいるので、必ずそれをおもしろがってカタカナで書く人がいる。わたしなぞはおもしろがってこう書く人の行為をおもしろがってながめているけど。

 

【価値】(かち)名詞 その価値を誰が決めるのか、という疑問の存在に気づけば、世の中の価値のほとんどはたいしたことはない、ということを知ることができる。このことを早く理解すればするほどより長く楽な生き方ができる。

 

【勝ち組・負け組】(かちぐみ・まけぐみ)名詞 勝敗で判断される事象に関して、その結果が「勝ち」あるいは「負け」であるとされる集団のこと。それが勝敗という判断になじまない、あるいはその判断が不可能な事象に関して、なぜか好んでこの言葉を多用する者がいるが、それ、意味が違いますよ。

(なお、もともとの意味は「それが『勝ちである』『負けである』と主張した集団」を指していた)

 

【勝ち負け】(かちまけ)名詞 勝ったときは実力のせい、負けたときは運のせい。

 

【合掌】(がっしょう)名詞 某国人「誰かがするかもしれないし、誰もしないかもしれない。そのようなことを、誰もあなたがするとは考えていないし、誰もあなたにして欲しいと思ってないし、誰もあなたにしろとは言わない」

某日本人「だけれども僕はやる。この世の中に誰かがやらなければならない事がある時、僕は、その誰かになりたい」

 合掌。

 

【渇すれども盗泉の水を飲まず】(かっすれどもとうせんのみずをのまず)成句 安売りをしていたり無料であったりしても、寄生企業の製品は決して買ったり利用したり消費したりしないこと。(→寄生企業

 

【活動家】(かつどうか)名詞 自分の人生の過ちの責任を自ら取るかわりに、生きている限り誰かに害を及ぼすことが存在意義であると決めた者。

 

【金縛り】(かなしばり)名詞 幻覚を伴う睡眠麻痺のこと。金縛りを特異な現象であると信じて自分の体験を吹聴する馬鹿がいるが、他人に害を及ぼさないという条件下で、そんな奴はずっと死ぬまで勝手に馬鹿でいてよろしい。

 

【悲しみ】(かなしみ)名詞 自分や自分に影響を及ぼす範囲内で発生した、自分や間接的に自分に不利益な出来事が起こす感情。同じ出来事であっても自分に関係のない他人に起こるとそれは「喜び」と呼ばれる。

 

【金持ち】(かねもち)名詞 手に入れたお金を消費しつくしてしまう意思や能力が欠如している人たちがいずれ到達するかもしれない状態のこと。ただし、普通の人はこの能力が欠けているということはまずないので、当然の如くあなたもわたしも金持ちには絶対になれない。

 

【我慢】(がまん)名詞 通常、「しなければいけない我慢」に関してはよく説かれるが、「してはいけない我慢」についてはあまり言及されない。生きていくためには「しなければいけない我慢」が大部分を占めるという現実があるためであろうが、あまりにも「しなければいけない我慢」のみを聞かされていると、いざ「我慢してはいけない状況」に直面したとき判断をまちがえる。「しなければいけない我慢」を述べるときには対にして「してはいけない我慢」も言い添えるべきであろう。それら両方を教えられていないと人生をあやまる。わたしのように(え?)。

 

【神】(かみ)名詞 いろいろな神がいるので、神と言ったときはどの神か限定して欲しい。

 

【髪型】(かみがた)名詞 自慢になってしまうがわたしは日常レベルでのかわいい顔をしている。子供のころから親兄弟からはもちろん、欲目のない友人知り合いから頻繁ではないがくり返しそう言われていた。ロングでゆるふわパーマをかけたときは、おそらくそれがわたしに似合っていたのだろう、人通りの多いところでは向こうから来る人たちは全員すれちがうまでわたしの顔を見ていた。すれちがうときは真横を見ているのでたまにつまずいてこける人がいた。また、なぜそうしたのかの理由は忘れたが、当時のわたしにすれば短めでゆるめのパンチパーマをかけたような髪型をしたことがあった。すると人通りがきわめて多い込み合った地下街でわたしに向かって歩く人たちが十分余裕をもって左右に分かれてくれる。わたしの進路が自然に出現する。人ごみの中で「歩きやすいという感覚」が生じたことに驚いた。こんな感覚があったのか、と。人の行動に影響を与える他者の髪型や外貌等の美醜は当然わたしにも影響を及ぼしているだろうが、どうやらわたしはそれらをあまり重要視していない。だから自分がどう見られているのかにも興味がそんなにない。概念やら認識形式やら天狗やらのほうが好物なのだからしかたない。現在のわたしはほとんど手入れ不要の髪型をしている。楽だ。

 

【神の存在証明】(かみのそんざいしょうめい)用語 子供のころにこれを知って、「平均的知能以下の馬鹿ならこれでだますことができるな」と思った。おそらくこれで連綿とだまし続けてきたのであろう。これでだまされる程度の馬鹿は宗教なぞに近づいてはいけないのであるが、そういう馬鹿を栄養源にして成り立っているのが宗教なのであるな。 

 

【紙袋】(かみぶくろ)名詞 あなたに欠けているものは小さな勇気です。頭がすっぽり入る紙袋を用意して目と鼻と口と耳の部分に穴をあけます。そして人前に出るときは必ずその紙袋をかぶるようにしましょう。この紙袋をかぶる小さな勇気さえあれば、あたなは決して人に嫌悪感を与えることはありません。まわりの人たちに安寧を保証し、自らその守護者となることができます。あなたの勇気は衒いと誤解されることはありません。あなたに欠けているものは小さな勇気です。

 

【カレー】(かれー)名詞 一時期、カレーに凝ったことがあった。スパイスをほぼ一通りそろえ、多くの組み合わせで調合した。わたしは料理が下手なんだろう、かなりうまく出来たときでさえ、「どうにか人に食べてもらえるかな」ぐらいであった。そのような試行錯誤の集積がわたしに「市販のカレールーはおいしい」ということを教えてくれた。それ以降、わたしは市販のルーを買って作っている。もちろんそこになにかを付加することはない。なにかを付加してさらにおいしくできるような能力がわたしにあるのなら、スパイスを調合して自分のカレーを作れたはずであるからである。(なお、そろえたかなりの量のスパイスはカレー以外の料理に少しずつ使って使い切った。カレーの調合で鍛えられたので、どこにどう使えばよいかはたぶん学んでしまっていた)

 

【枯れ木も山のにぎわい】(かれきもやまのにぎわい)俚諺

 にぎわいと黙して座る美しさ  あのん

 

【かわいそう】(かわいそう)名詞 本人が装っていたり、客観的な現状分析を経ているのではないかぎり、通常、その者は自分が人からかわいそうだと思われていることに気づかない。そのような状況こそまさしく「かわいそう」なのだが、それを説明しても嫌われたり憎まれたりするだけなので、黙っておくのが大人の態度である。

 

【考える】(かんがえる)動詞 仮説を立て、それを立証しようとすること。もちろん、この仮説とは自ら提出する仮説のことである。馬鹿が考えることができないのは仮説を提出することができないからだし、きちがいが考えると意味不明になるのは最初の仮説が意味不明だからである。

 

【関係改善】(かんけいかいぜん)名詞 ある者との関係が良好でない場合、良好でないことが良くない結果を招来するのであれば関係を改善するべきであろう。ところが、良好でない関係を維持することが正解であることもある。即ち、たとえば相手が嘘つきや泥棒であるのならその者と絶対に良好な関係を築いてはいけない。われわれが同種の者と見られたり、またいずれその相手にだまされたり盗まれたりする。このような相手であるとき、関係が良好でないことがわれわれに最大の利益を齎す。堂々と良好ではない関係を維持しよう。そして、そのような相手との関係改善や友好を叫ぶ連中は何を目的としているか、賢明な諸君はお見通しであることと思う。

 

【甘言】(かんげん)名詞 お菓子をあげると言われても知らない人について行ってはいけません、と親は子供に教える。人さらいは安いお菓子で子供の命を手に入れる。どの徒党や集団や組織が日本と国民の生命を舌先だけで盗もうとしているかも親は子供に教えるべきであろう。

 

【韓国】(かんこく)名詞 国民と国家が一致団結して滅びるまで自慰を続けようとする国。恥という概念がないので、世界中に自慰行為を報道されてもなぜ報道されているのかもわからないらしい。そのくせ、あるいはそれゆえ、自分が馬鹿にされていることを察知する感覚は鋭敏である。また、日本の領土を不法占拠している侵略国家でもある。

 

【韓国人】(かんこくじん)名詞 韓国人は自分たちより優れている日本人に生まれなかったため日本に憧れ、そして次に自分たちでは絶対に日本人のような優れた者になれないことに気づき日本を憎む、という経緯をたどる。しかしもし日本人に生まれたら、規則は守らなくてはいけないし、嘘をついてはいけないし、物を盗んでもいけない。規則を守ったり嘘をつかないでいたり物を盗まないでいるくらいなら、たぶん韓国人は日本人に生まれたくないと思う。

 

【漢字】(かんじ)名詞 誰かに教わったわけではないが、小学校に入るまでに簡単な漢字は読めた。小学校の授業で漢字を学ぶが、それで覚えた漢字があるはずなのだが、この字は授業で覚えたという記憶が特にない。いつのまにか読めるようになっていて、十歳前ぐらいのときは普通に新聞を読んでいた。二三か月に一回ぐらい、新聞に読めない漢字が載っていたことを覚えている。漢文の授業を受けるようになって漢和辞典をひきはじめた。大学でテキストが漢文であった授業のときはひきまくった。新釈漢文大系は死ぬまでに一通り読んでみたいと無謀にも考えているが、あれ、読み始めると漢和辞典をひいている時間のほうが長いような気がする。調べた字以外もたくさん読んでしまうんだ。忘れる早さ以上に覚えていけばいいんだろうけどなあ。(なお、難しい漢字の好きな人には新釈漢文大系の『易経』がおすすめである) 

 

【感謝】(かんしゃ)名詞 期待を用意しておくと失望や不満が結実する。それがわからない人もいるので、感謝をこまめにしておくことは知恵の一つだろう。

 

【感受性】(かんじゅせい)名詞 同じ刺激を与えられても、人によって受け取る度合いが違う。苦痛には弱く快楽には強く反応する人と、その反対の人は、たぶんこの世界の住みやすさがかなり違うと思う。ちなみにわたしにとってはこの世界はとても住みにくい。

 

【勘違い馬鹿】(かんちがいばか)名詞 自分が馬鹿でないことを示したいがために、あるいは自分には人より秀でている美点があることを誇示したいがために、馬鹿しか陥らない状況に自らを置いてしまう馬鹿のこと。最も有害なのは、主に世のため人のため活動をしていると称している団体に属し、行動の糧となるうぬぼれによる優越感を拡大再生産している連中である。

 

【艱難】(かんなん)名詞 もし途中で割れなければ艱難は玉を生み出してくれるかもしれないが、 完成品の玉でさえ押し潰さないものは艱難の名に価しないことを考えれば、凡人はなるべく艱難にかかわらないほうが身のためらしい。

 

【漢文】(かんぶん)名詞 古文とならんで、日本人の重要な基礎教養の一つ。気にいった詩や文章は繰り返し書いて覚えた。そのおかげか、初見の白文であってもおののくことはない。といって、正確に読めているわけではない。第一、初めて見る読めない漢字がいくらでも出てくる。つまり、「読めなくてあたりまえ」というおもいっきり後ろ向きの覚悟が持てるようになった。

 

【願望】(がんぼう)名詞 現実を改革するためのものと、現実から逃避するためのものの二種類ある。前者は将来の偉人によって思索から生まれ人々の間に浸透し社会をいずれ導き、後者は愚か者の夢想から生まれわずらわしさを滴らせながら汚い自慰で終わる。

 

【寛容】(かんよう)名詞 仮に、その者が生きていく唯一の方法が「人から忌み嫌われる存在であり続けること」であるとすれば、かなり多くの者は自分がそういう存在でなかったことを幸せに思うだろう。しかし、特にある集団は自分たちがそのような存在であることに嬉々として安住している。これは、その集団が「忌み嫌われていることを感知する能力」が欠如しているか、その集団の社会では「忌み嫌い、忌み嫌われることが常態」であるからそれを当たり前として嫌悪感を感じないからだろう。いずれにせよ、悪い意味での不正常であることにはかわりはない。そのような集団に対して寛容という態度で接することはまちがいである。