あのんの辞典

 

 

「せ」

 

 

【正義】(せいぎ)名詞 ある価値判断の体系のなかで、それが守られれば「正しい秩序」が維持できると考えられている概念の一つ。常識人の正義もあれば、泥棒や気違いや人殺しの正義もある。(→正しい

 

【正義の味方】(せいぎのみかた)名詞・格助詞・名詞 自慰のできる場所を提供してくれる人の味方。嘲笑されていることに気づくような人はなれない。

 

【正規分布】(せいきぶんぷ)名詞 母集団が正規分布を描く場合、それに含まれる特定のある集団の分布の上端の数値を求めるとその集団の頭の悪さがわかる場合がある。

 

【政教分離】(せいきょうぶんり)名詞 日本は政教分離を掲げているけれど、「人権という概念は宗教概念である」。政教分離を通そうとすると、人権という概念は宗教概念ではないことを説明しなければならなくなる。誰か説明してくれないかな。ぜひ聞きたい。

(ただし、わたしは人権という概念のよい結果を出す部分については肯定している)

 

【性交】(せいこう)名詞 男の場合は主に目的、女の場合は主に手段。売春という職業が成り立つ所以である。

 

【成功例】(せいこうれい)名詞 うまくいった事例のこと。成功原因は「失敗しなかったから」としか言いようがない。

 

【性差】(せいさ)名詞 性差よりも個人差の方が振幅が大きい。性差についての統計的処理の結果を利用する場合、対象となる個人についての判断を省略できるという労力を費やさないことの利点があるものの逸材を見落とす可能性がある。高い能力が要求されていないような事柄については性で判断した方が安上がりで、その結果が重要な意味を持つ事柄については性にこだわってはいけない。

 

【政治】(せいじ)名詞 民主主義社会では、代表者による社会における利益の分配のこと。民主主義以外の社会では、権力を奪いあうこと。

 

【政治活動】(せいじかつどう)名詞 ある種の「政治活動」を「いかさま宗教」「きちがい宗教」と断じてしまうとするっと理解できる、ということに気づいているだろうか。構造の要素をそれぞれあてはめてみると、あららうりふたつ。(→害悪自慰)。

 

【成人式】(せいじんしき)名詞 現在の日本の成人式なるものの由来は各自調べてもらうこととして、わたしは子供の頃からあれは「馬鹿が集まって騒ぐもの」と思っていた。由来としての意義づけはいいものなんだろうが、事実上それが馬鹿に騒ぐ口実を与えているだけにしかなっていない。おそらく馬鹿にとっては自己顕示の数少ない機会だろうから、異様な格好で倫理的に逸脱した言動で騒ぎわめき全力で迷惑をまき散らす。もちろんわたしは出席していない。わたしの友人たちも出ていなかった。

 

【精神障碍】(せいしんしょうがい)名詞 わたしは専門的な知識はないが、奇矯で異常で犯罪的な言動をとるその者を見て、「あ、こいつ、明らかに頭がおかしい」ぐらいはわかる。わたしがわかるぐらいであれば他の人たちもみんなわかる。「十目所視十手所指其嚴乎」である。

 

【贅沢】(ぜいたく)名詞 金銭を費やして得られる贅沢で満足できる人は、仮にその費やす金銭を所持していないという不幸があったとしても、それをのぞけば幸福である。その満足を得たと同時に、あるいはそのうちそれに関して欠乏感が生じなければなお良い。

 

【正当化】(せいとうか)名詞 こじつけによる言い訳のこと。その者の行動原理がこれによって構成されていれば、その者を悪人と断じて差し支えない。いやむしろ差し支えないどころか悪人でしかありえない。

 

【政府】(せいふ)名詞 大部分の国では自国民を基盤とした自国民のための政府であるのが普通である。しかし現在もまだ存在している自国民を収奪の対象とした圧制と支配のための政府は、そのよりどころを自国民の支持におかず、表面的には特殊な解釈による理想とされるものの概念に、実質的には動員できる銃を持った兵士の数においている。このような国家は喜ばしいことに破綻と崩壊は必ずやって来る。

 

【生物】(せいぶつ)名詞 生き物は生まれてやがて死ぬ。このことはあたりまえだと思っていた。ところが。もともと生物というものは良好な環境のなかでは死なないものだったのだ。これを知ったときわたしゃ驚いたね。遺伝子の修復と環境に対する多様性と引き換えに、生物は有性生殖を行い「寿命で死ぬ」という方向に進化し「死を新たに獲得した」。われわれは長寿を願うが、生物としてのわれわれにとって「寿命による死」は「進化が望んだ選択」だったのである。ほよよ。

 

【性欲】(せいよく)名詞 人の愚かな原動力の一つ。物欲や名誉欲と同じで、厄災という同伴者が常にへばりついているので、満足を得られなくても得られてもどちらにしろ後悔という到着地で座り込むことになる。

 

【生理的嫌悪感】(せいりてきけんおかん)名詞 生理的嫌悪感を抱く対象は各種あるが、その対象が「独立して活動する生き物」や「独立して活動する生き物らしきもの」の場合、なぜか対象がこちらのほうにすり寄って来る。かかわりあいを持ちたくなくて全力で逃げているのにどこまでもすり寄ってくる。こうなるともう叩き潰すしか方法がないのか。ぐちゃっと潰れると気持ち悪いなあ。

 

【世界】(せかい)名詞 極私的地平に現実を落とし込んだもの。このことは子供でも知っているし当然大人も知っているが、能動的定義としてはまず理解されていない。世界を据えつけなおして再定義するには、一から作り上げる馬力と妄想力が必要なので普通の人ではたぶん無理です。(ここでいう「世界」は「認識対象となりうるあらゆるものの総合体」を指す。「極私的地平」とは「個人が限界まで拡張できる個人内部」、また「現実」とは「日常的生活世界」を指す)

 

【世界観】(せかいかん)名詞 どの世界観であろうと特定のそれを受容した者にとって、その体系は事実であり真理であり(たぶん)善であるから、それにとらわれていない他人を笑わせることができる。いや、それよりもむしろその世界観に従って行動されるとはた迷惑な場合が多い。

 

【責任】(せきにん)名詞 寄生虫としてこの世に生をうけたことは本人に責任がないかもしれないが、寄生虫として生き続けていることは本人に責任がある。(→罪を悪んで人を悪まず

 

【責任能力】(せきにんのうりょく)名詞 責任能力のない者を野放しにした責任は誰がとるんだろうか。野放しにした者に責任をとらせるのならわかる。ちゃんと野放しにした者を死刑にしてくれるんだったらわたしは文句を言わない。

 

【セクハラ】(せくはら)名詞 セクシャル ハラスメント(sexual harassment)の略。「性的いやがらせ」の意。主に男性からその品性ゆえ忌み嫌われる女性が男性を被害者にするためにでっち上げる騒ぎのこと。

 

【セックス】(せっくす)名詞 英語 sex からの言葉で、「性」のこと。また「性行為」の意味があり、日本ではほぼこちらのほうで通用している。なぜかはわからない。「性行為」なら intercourse だと思うのだが、こちらは「交際」などという意味で通用している。全然わけがわからない。

 

【設定】(せってい)名詞 活動の場は自らの実力に適正に見合ったあたりに設定すべきである。高望みをすると、自分だけがどうにかなってしまうだけならそれでもいいが、通常は場違いなだけでなく他者にも迷惑を及ぼす。また、自分の実力を把握できる能力すらない者は、往々にして明らかに自らの能力が強者であるような世界に安住し、そこが適正な程度であるような人たちを罵倒することで自己満足を得る。前者は知恵の欠如という愚かさが、後者は努力の放棄という怠惰さがその者を後押ししている。馬鹿に多いのが前者であり、低能に多いのが後者である。

 

【説得力】(せっとくりょく)名詞 武器をこちらに向けている強盗に、お金を差し出しながら「物を盗むのは悪いことだ」と諭しても説得力はない。

 

【善意】(ぜんい)名詞 素朴に人やその他の何かのためによかれと思ったことに発する行為は心温まるものであるが、いかんせん物事に対する理解や判断の能力が備わっていない大部分の人は「善意なるものを施した満足」という報酬を受け取ることに気をとられ、なぜ自分がそのような状態に置かれているのかに気づかない。それを「善意」と思わせる仕組みが存在し、「善意」の大部分を盗む泥棒が大声で「善意」の大安売りをする。「善意」を看板にする人を信用していけないことをわかっていただければいいのだが。

 

【選挙権】(せんきょけん)名詞 きちがいに刃物を持たせると危険なことは誰もが知っているのに、低能に選挙権を与えると国が滅びると誰も指摘しないのはなぜだろう。

 

【善行】(ぜんこう)名詞 善行を行うのは自己の利益のためではない、この善行の集積が社会の底上げに寄与するのだ、などとまちがえた考えをしてはいけない。その善行を行うことそのものがすでに与えられた報酬なのだ。(→注釈

 

【全身麻酔】(ぜんしんますい)名詞 全身麻酔で手術をすることになった。手術室で、点滴に薬剤を入れますねと言われ、麻酔のかかる瞬間はどのような感覚なのだろうかとそれをしっかりと確認するつもりでいたら手術は終わっていた。「時間が経過した」こともわからない。「手術前」と「手術後」が直結していた。これを経験した誰もが、安楽死の手段に使えば一切の苦痛はないなと思うだろう。わたしも思った。まだ全身麻酔をしたことのない諸君が将来全身麻酔をすることになっても、この麻酔をかけられることに関してはなんの心配もないと記しておこう。むしろ、「時間がとぶ」ことの感覚の体験ができると喜べばよろしい。

 

【先生】(せんせい)名詞 自分が教えられたことしか人に教えられない者を先生と呼んではいけない。

 

【戦争責任】(せんそうせきにん)名詞 勝てば官軍負ければ賊軍。おまけに事実上、あるいは明らかにその戦争の当事者でない国や組織までが尻馬に乗る。

 

【選択】(せんたく)名詞 人は全てを選ぶことができない。そしてしばしば二者ですら択一である。選ばれなかったものが再び選択の場に登ることがあるとすれば、それは前回に選ばれてしかるべきものであったとも判断することが可能である。ところが、人生の短さと能力の欠如は、それらの選ばれてしかるべきものの多さを気づかせてくれる。もうすでに手一杯なのである。さて、ここで人は先人の知恵にすがることを発見するが、先人もいろいろと言っておる。もうわけわからんのである。こうなるとやけくそで混乱の怒涛のなかで断を下す必要に迫られる。くれぐれも「その結果は自ら責任をとる」という覚悟なしに選ぶことがないように。でないと、文句を言い続けることで人生を終えてしまう。「さあ諸君、自由に選びたまえ!」

 

【選択肢】(せんたくし)名詞 選択肢が一つしかない場合、それは「義務」とか「運命」とか呼ばれる。なお、選択肢が一つしかない場合でもそれを選択肢と呼ぶかどうかは各自考えておくように。

 

【先入観】(せんにゅうかん)名詞 新しい事実を知ると物の見方がかわる。それまでの視点が作為的に植えつけられていたものであることを知ったとき、人は怒ってよろしい。本気で怒りなさい。

 

【仙人】(せんにん)名詞 価値にこだわらないという価値にこだわっている人。

 

【善人】(ぜんにん)名詞 悪人は人を殺してしまうかもしれない。しかし善人にくらべるとまだそちらのほうがよいとも言える。なぜなら、善人は自分を殺してしまうかもしれないからである。自分の利益のために他人を殺すことは道理にかなっているが、他人の利益のために自分を殺すことは生物の原則に反している。