あのんの辞典

 

 

「り」

 

 

【利益】(りえき)名詞 自分が人から嫌われていることを斟酌しない者は、自分の利益以外のことで行動することはない。

 

【理解に苦しむ】(りかいにくるしむ)慣用句 きちがいを相手にしたくはない。

 

【理系】(りけい)名詞 人格や品性にかかわりなく解を導けるという点が楽であるという人たちや、そもそも基礎的な能力の欠如ゆえに苦手な人たちがいる。このことに気づかないで単に高校時代の成績がよかったからという理由のみで理系に進学すると、他人を笑うことが一生できなくなる。(→文系

 

【理性】(りせい)名詞 真理値が存在するかしないかわからない領域が理性の限界である。乱暴な言い方をすれば、真理値が存在すれば推論が可能な「科学」という「理性の領域」で、しなければ限定的にしか推論の成り立たない「信仰」という「個人の確信の領域」である。あるいはこれを反証可能性を対象が受け容れるかどうかと言い換えてよい。しかしまあ、この「理性」を十全に活用できる者が非常に少ない、ということのほうが問題かもしれないね。わたしもそうだけど。

 

【理想】(りそう)名詞 「理想の実現」とは「現実と折り合いをつけ、そしてそれを乗り越えて達成する」ものであるが、頭のおかしい者にとっては「現実を無視して希求するもの」らしい。せめて誰にも迷惑をかけず死ぬのが自分だけであればまだましだが、さすがに頭がおかしいだけあって最大限に他人に迷惑をかけ混乱と破壊をまき散らす。おまけにどうやらその迷惑と混乱と破壊が大きければ大きいほど「自分が求める理想」に価値があると考えているふしがある。この実現のための行動に着手した時点でただの「頭のおかしい犯罪者」である。

 

【理想郷】(りそうきょう)名詞 その個々人の理想郷は必ずどこかにあるかもしれないが、その誰かの理想郷に隣人として住みたがる者は一人もいない。

 

【離脱症状】(りだつしょうじょう)名詞 禁酒・禁煙・減量時の離脱症状を経験する人はある割合でいるであろう(減量時の離脱症状とは、望んではいないのに襲ってくる必要以上の過剰な食欲のことであると理解されたい)。わたしもこれらの三つは経験した。わかりやすい効果のある対抗策があるのなら誰も苦しまんのよねえ。酒飲みたい煙草すいたい飯もっと食いたいぞこらー、と叫ぶとあぶない人になってしまうのでさすがに叫ぶのは我慢するように。さて、この症状を緩和する、あるいはほとんど消失させる「心理的操作」はあることはあるのだが、それをここに記すとかなり多くの人が「そんなことができるか」と少し腹を立てるかもしれない。人をいたずらに怒らせてもしかたないので書かないことにするが、孫弟子が弟子に向かってくねくねとしなを作って言っておるそうだ。「ねーねー、大先生に『あれ』を書いてもらってくださいよー。わたしね、ぼってりまちがえたぽっちゃりしたお腹をへこませたいんでーす。長年ためこんだ脂肪をですね、すとんと落としてうきうき薔薇色人生、まだ年齢的にぎりぎり取り返しがきくんでーす。おっねっがぁいしまーす、なにとぞ大先生に」

 

【立腹】(りっぷく)名詞 経済的に困窮している人に向かって「なぜあなたはそのような状態に甘んじているのか」と質問すれば、「この状態から脱しようと努力はしている。しかしそれには困難が伴っている」との返答がたぶんあるだろう。では、愚かな人たちに向かって「なぜあなたたちはそのような状態に甘んじているのか」と質問すれば、同じような返事はあまり戻ってこない。それどころか、質問者に立腹する人もいる。なぜだろう。

 

【理由】(りゆう)名詞 そのために命をかけてたとえ死んでしまってもいいという理由を持ち得ない者は、自分はなぜ生き続けなければならないのかという理由も持ち得ない。

 

【流行語】(りゅうこうご)名詞 積極的に多用するばかと、遣わないでおこうと気にしているばかと、それが流行語であることを知らないばかに、人は三分される。いずれにせよ、ばかとは相性がいいらしい。

 

【利用価値】(りようかち)名詞 ある種の団体や組織において自分がそれらから相手にされるのは、自分の利用価値目当てであると賢明にも判断できる者は、それらから遠ざかることで被害者にならずにすんだことに安堵するだろうが、それよりむしろ自分がやがて加害者になってしまわずにすんだことを喜ぶべきであろう。被害者であることを自覚することを経ずに加害者になってしまうこれらの構成員は、自分が加害者になってしまったことすらも理解できない。「低能」や「きちがい」と呼ばれる所以である。この連中は駆除の対象であると明言してもなんのさしつかえもない。

 

【良心】(りょうしん)名詞 相手を殺し生き残った者の言葉がその世界の真理であると考える連中が善悪の道徳性や普遍性を考察することなしに行動の根拠づけに使用する言葉。「煽動者の利益」という言葉に置き換えると理解しやすいが、「良心」のほうが馬鹿を騙すのに都合がよいので多用される。

 

【料理人】(りょうりにん)名詞 空腹は最良の料理人である。なにしろ、さらに良い料理人を求めて餓死する人もいるほどである。つくづく日本近隣の某国の食に対する情熱には感心する。

 

【領土問題】(りょうどもんだい)名詞 自国の軍事力から相手国の軍事力を引き、さらにそこから負の国際世論を引いて、残りがプラスであれば軍事侵攻という形で簡単に解決する。事実上の軍事的弱小国においてはこの国際世論の力が自国の軍事力よりも比重が高いので、優秀な人材を政治家や外交官に選ばないといずれそのうちに国が滅んでしまうという覚悟が必要である。

 

【隣国】(りんごく)名詞 もし正気であることの不幸せを感じることがあるとすれば、それは正気でないことの幸せを選んだ国が隣にあるせいからかもしれない。

 

【輪廻】(りんね)名詞 生き物は死後、また別の生き物に生まれかわるという考え方である。そして、前世の行為等の結果によって次にどのような生き物に生まれかわるかが定まる。さて、この世には、「そこでその一員として生まれることは悲しいまでの壮大な罰ゲームではありませんか」と思ってしまう「そこ」や「その」がある。ほとんどは同情すべき「そこ」や「その」なのであるが、なかには納得できる「そこ」や「その」がある。「そこでその一員として生まれると、必然的にまたそこでその一員として生まれかわる」ような環境が存在する。その環境の安定解が因となり、果としてまた同じところに同じ一員として生まれる。日本人であれば誰もがすぐに「そこ」を指し示すことができるであろうし、輪廻というものが実際にあるのではないだろうかと思うであろう。