あのんの辞典

 

 

「て」

 

 

【手】(て)名詞 時と場所と場合と相手によっては出してよかったり出していけなかったり出さなければならなかったりする、その扱いには非常にややこしく微妙な判断が要求される人体の器官の一部。なお、出し入れについてはこれ以上に難しい判断が要求される器官もある。

 

【出会い】(であい)名詞 往々にして過度の期待がその結果に文句をつけることで終了する出来しなかったことにされる失敗した事件のこと。

 

【定義】(ていぎ)名詞 もし各要素の定義がなされていれば、そのような疑問は最初から生じなかったであろうという問題は多い。定義をする能力がない、即ち物事をまだ見ることのできない者にとって、それらは問題にすらならないということがわからない。努力しなさい。

 

【帝国】(ていこく)名詞 17世紀、日本は世界の七帝国のひとつだった。ところが当の日本人はそれを知らなかった。18世紀になろうとする頃、やっと日本人は自分たちの国が世界の七帝国のひとつであることを知った。のんびりした国である。

 

【程度】(ていど)名詞 遊びの程度をこえて隠れてしまうと、隠れんぼうももはや隠れんぼうでなくなってしまう。なにごともそのふさわしい程度をこえてしまうと、流れる時間まで異種のものとなり、現在はもちろん、未来でも彼我の世界が交差することがない。交差することのない世界のことで煩わせられたりすることはばからしいとわかっていても、人間ができていないせいか、つい腹を立ててしまう。

 

【デート】(でーと)名詞 食事のあとよりも食事やそのときの会話が楽しみであるようなデートができる相手がいる人は幸せである。ま、おとなになったらわかる。

 

【低能】(ていのう)名詞 主に知的能力に関して、その程度が低い状態、及びそのような者を指す。最も他人に被害を与える低能はIQが110あたりから120あたりの低能である(数値で言えば平均より上ではあるが、異常ではない言動をとることが可能であるにもかかわらず人をして低能と呼ばれる言動をとるゆえにこの判断が下される)。なお、特筆される低能の特徴は「自らの低能であることの程度を知らないこと」である。また、低能をこじらせると気違いになるので注意が必要である。(→馬鹿

 

【低能自覚教育】(ていのうじかくきょういく)名詞 その者の伸びる可能性のある方面に注力するという教育はたいへんよろしい。しかし、どうやっても絶対に伸びんだろうという部分に無駄な労力を費やすのは、本人にとっては苦痛の強要で社会にとっては冗費の支出で害にしかならない。そういう場合は、その者にこの点は努力に対する見返りがないことを教えるべきであろう。特に知性に関しては、「おまえは馬鹿なんだから、物事の判断には向いていない。先に自分の人生の師匠となる人を見つけることに集中しろ。そしてその師匠になんでも教えてもらえ。考えるのは教えてもらってからにしろ」、と教育する。自分の低能程度を自覚して、師匠を探そうとするのであれば、まだましな人間になれるであろう。ただ残念なことに、低能は人の言うことをあまり聞かないんですよねえ。 

 

【低能政党】(ていのうせいとう)名詞 物事を判断する能力のない低能をだまして票を獲得しようとする政党のこと。主に意味不明の「反対」を常に唱えている。有権者の低能の占める割合を考えると集票の方法としては有効な戦略だとは思うが、その行き着く先は日本の破滅なので、その政党が「低能政党」であることを周知させることは日本人の義務であるとの態度が必要である。

(調べるのは難しいかもしれないけれど、知能別支持政党のデータが欲しいなあ。それを見たらしばらく笑い続けて楽しめるだろうなあ。あるいは、低能に選挙権を与えてはいけないことの教育に使えるだろうなあ)

 

【弟子】(でし)名詞 わたしは最初の弟子をとるまで、弟子をとろうと考えたことはなかった。社会から恩やら嫌がらせやらを受けたが、社会に対して恩を返すために貢献しようとか嫌がらせの仕返しをしようとかも考えたことはなかった。だから弟子をとることで社会に恩返しをするなんて思いもしなかった。弟子となるその人と出会ったとき、この人はわたしの言うことが理解できる能力がある、とわかった。わたしの言うことが理解できる人はこの世界にある割合でいるが、そのような人たちは通常自分のためやら自分が責任を持たなければならない対象やらの相手をするのに忙しく、わたしの言うことを理解するために人生の時間を消費させることをわたしは躊躇する。つまり弟子は「考える能力と考える時間のある人」だったのであるよ。弟子がわたしの教えを受けるようになって、「視界が指数的に広がりつづけていて、収拾がつかなくて混乱を抑えるのが精一杯」だそうである。まあ自慢として言うが、それだけのことをわたしは教えているのであるな。最終的にわたしが教えることになるのは「この世界の構造」である。さて、生きているあいだに教えきることができるだろうか。

(なお、「考える時間のある人」は、暇を持てあましている人、ではなくするべきことはしてなおかつ時間を有効に使える人、の意味である)

 

【哲学】(てつがく)名詞 当辞典編纂者は哲学を「態度」であると子供の頃に発見し、しかしその時にはもうすでに哲学から逃げ出そうとしていたので、それ以来なにも考えていない(ことにしている)。

(わたしは、この「哲学とは態度である」の「態度」を後に「世界解釈」と言うようになった。「態度」とは「世界をどう見ているかの態度」であり、単に「態度」だと説明なしには漠然としているが、「世界解釈」と言うと一発でわかる。より適切な用語に言い換えたわけであります)

 

【デモ】(でも)名詞 日本においては、日本を守りささえるためのデモと日本を破壊するためのデモがある。守るデモは自発的な集まりであるが、破壊するデモは犯罪を職業とする者が扇動する。かたや常識人の自然な行動の延長であり、かたやだまされた連中の狂気のあらわれである。誰が旗を振っているか、どのような者たちが参加しているかを見ることで、日本を守ろうとしているのか破壊しようとしているのかを判断することができる。

 

【出る】(でる)動詞 出そうで出ないのも困るし、出て欲しくないときに出るのも困る。すぐに出したいのに出ないのも困るし、もう少し後でと思っているのにあらら出てしまった、というのも困る。あまり早く出てしまうのも困るし、あまり早く出されても困る。やたら困ってばかりいる。ま、誰でも覚えがある。

 

【テレビ】(てれび)名詞 時事報道や天気予報など以外のテレビ番組から何らかのものを得られる能力のある人はテレビなどは見てはいけない。テレビを見る時間を別の何かに充てたほうがずっと役に立つ。(→白痴番組

 

【天狗】(てんぐ)名詞 伝説上の架空の存在であるが、わたしは実は好きなのであるな、天狗が。しかし、赤い鼻高で高下駄羽団扇の山伏姿で空を飛ぶ天狗は好みではないのであるよ。怪奇現象の「天狗の仕業」と言われるものの背後に存在するであろうなにかわからない「天狗」が好きなのであるな。すなわち、「背後になにかを想定せざるを得ない世界認識の枠組みを所持する脆弱な精神の愚かな人類」を力強く肯定してやっているのである。がはははは。(なお、最近はちくわ大明神もお気に入りである)

 

【電源】(でんげん)名詞 

 虫は鳴かなくなり、鳥はさえずるのをやめました。

 風は吹かず、雨は降らなくなりました。

 果樹の花はしおれ、稲は枯れました。

 川は干上がり、海は沖へ後ずさりを始めました。

 野良犬は渇き、鼠は飢えました。

 飲み水がなくなり、食料がなくなり、人は死に続けました。

 最後まで生き残った人類の一人が死ぬと、太陽は燃え続けるのをやめ、天空の星々の輝きは消えました。

 神様がまちがえて電源を切ってしまったからです。

 

【天国】(てんごく)名詞 わたしは「天国」と聞くとキリスト教やイスラム教の「天国」を思い浮かべる。それらの「天国」に異教徒が紛れ込むことはないだろうから、たまに報道される亡くなったある日本人にその友人が「天国でも云々」と述べた言葉から、ああ、この亡くなった人はキリスト教徒かイスラム教徒だったんだなと思う(ただし、日本在住の日本人でイスラム教徒は極めて少ないだろう)。もし勝手に他宗の「天国」へ送り出す頭のねじのゆるんだ者を友人として持っていたら、亡くなったあとでもそのような者が友人であったということで恥をさらす。生きているうちにくれぐれも友人は選んでおこう。

 

【天才】(てんさい)名詞 天才はいつの時代どこの地域でも数は少ないもののある割合で生まれるが、世に出たり歴史に名を残したりするのは、その人物が天才であること以上にその時代その地域の社会情勢や文化的背景が大きな影響を及ぼしている。天才の出現が強く期待されている社会では比較的出現しやすいものの、その圧力としての期待は常に社会に対する不満がもとになっていることを考えれば、それが停滞であったとしても天才のあまり出現しない社会は平和なのだろう。

  

【天誅】(てんちゅう)名詞 仮に、天に罰せられてしかるべき者がのうのうと生きのびているとする。われわれは、その者の悪行が白日の下にさらされ、可能な限り無残にくたばることを天誅として歓迎したいと期待することしかできないのか。諸君の人生において諸君は主人公である。そして、この世界においても諸君が主人公である。

 

【伝統】(でんとう)名詞 あらゆる物事の最も辛辣な批評者は「時間」である。長い時間という試練にさらされても命脈を保っている伝統は、それらを維持していこうとする人々の意志の支え以上に最高の批評者によって選ばれている。もし、人の軽視や無視で影響を受けるというのであれば、それは時の流れに漕ぎ出すにはまだ未熟な段階であるというのにすぎない。成熟した伝統は辛辣な批評者と同じ舟に乗って談笑しながら流れを楽しんでいる。

 

【天動説】(てんどうせつ)名詞 12歳の頃、「あ。これ、主観的観念論なのかな、超越論的観念論なのかな」と思った。でも、それはそれ以上考えるのをやめた。

 

【天皇号】(てんのうごう)名詞 天皇号が約900年間中絶していたことを知らない人もたぶんいる。

 

【天皇制】(てんのうせい)名詞 日本の未来の歴史のためにかけている保険。これより有効な保険が発見発明されていない以上、この廃止を主張する者は日本の破滅を期待してるとしか考えられない。完全なきちがいである。