あのんの辞典

 

 

「お」

 

 

【狼】(おおかみ)名詞 牧畜を生業とする者から見れば狼は害獣である。一方、農業からの立場は反対で、狼は作物を食い荒らす害獣をつかまえてくれる益獣である。立場や見方によって異なる評価が与えられる典型的な例である。ところが、進化の多様性の結果としてしかたなく無駄に発生した害しか垂れ流さない生き物が存在する。いや別に、日本近隣の某民族を指して言っているわけではない。

 

【大晦日】(おおみそか)名詞 夢吠えて鬼が笑って次の年  あのん

 

【奥さん】(おくさん)姓・接尾語 「奥」という姓の人がいる。男性の「奥」さんを「奥さん」呼ぶ場合は極めて特殊な場合を除き誤解を招かないが、女性の「奥」さんを「奥さん」とその人の姓が「奥」であることを知らない人が周りにいるときに呼んだ場合、そこが職場であればそんな呼称を遣うなと思われるだろうし、話の内容が既婚婦人相手だと少し危ない誘いの範疇に入るものだと、この人は大胆なのか相当だらしないのかと思われる可能性がある。もちろん誰のせいでもない。

 

【教える】(おしえる)動詞 人から教わったことしか知らない者は人にものを教えてはいけない。教えたことの結果に自分で責任を取れないし、そもそも教えることに責任が付随することすら知らないだろう。

 

【おしどり夫婦】(おしどりふうふ)名詞 いつも一緒にいて仲がよい夫婦を指す言葉。これはおしどりがそのように見えるのでできた言葉であるが、なぜおしどりがいつも一緒にいるのかというと、雄が目を離すと雌がほかの雄とすぐに交尾をしてしまうからである。仲がよいのではなくて、雄は自分の子孫を残すために雌を見張っているのである。

 

【おしゃれ】(おしゃれ)名詞 充実した内容からたまたまあふれ出た遊び心のこと。がらんどうに施した装飾は醜悪と呼ばれることをあなたが理解してくれたら、あなたはこれからあなたと出会う人たちを不快にさせないですむ。

 

【汚職】(おしょく)名詞 不正な事だからいけない事だと普通考えるだろうが、それ以外の考え方も日本以外ではあることに気づくべきである。即ち、「お金を受け取るのが自分ではない」ことに腹を立てている者が大部分であるような文化を持つ国もある。わたしは日本人に生まれたことを感謝している。

 

【お世辞】(おせじ)接頭辞・名詞 通常の能力があればそれがお世辞であることが理解できる。そして相手がお世辞を言わなければならない状況に配慮して、相手がお世辞を言った労力に感謝の意を表する。それが対人関係における潤滑油としての礼儀である。通常の能力がないと、それがお世辞であることすら理解できないどころか、本気で喜んでいる。そのあと、その反応をねたにして笑われていることは本人は知ることはない。誰も馬鹿に向っておまえは馬鹿だから笑われていると教えないからである。

 

【オタク】(おたく)名詞 ずっと以前の世界中の馬鹿な青年たちはなにで遊べばいいかわからなかったので左翼運動に参加して社会を破壊しまくった。最近の世界中の馬鹿な青年たちはマンガやアニメに夢中になり、馬鹿騒ぎをして自国の文化的枠組みに挑戦したりするがそれほど悪いことはしない。なんと日本の文化は世界の平和に貢献していることであろうか。

 

【おたふく風邪】(おたふくかぜ)名詞 京都の祗園郵便局でスタンプを押してもらうとなおる。

 

【おとぎ話】(おとぎばなし)名詞 不可能によって成り立っているありもしない世界は実現できないことを理解できない幼稚な低能が好む。そして同類の低能を煽ったりデモをしたりする根拠に使用される。おとぎ話をおとぎ話として理解できない馬鹿におとぎ話を語ってはいけない。

 

【男】(おとこ)名詞 これで美男子で賢くて人柄がよくて経済力があければ言うことはない。

 

【男は度胸女は愛嬌】(おとこはどきょうおんなはあいきょう)俚諺 度胸は困難に立ち向かう勇気をあらわし、愛嬌は快適な日常の維持運営の安定を確保する。ただし、度胸を間違えた時に披露するとたいへんなめにあうことがあるし、愛嬌も過度であると取引の誘いかと思われることがあるので、ふさわしさや適度さを習得してから応用したほうがいいかもしれない。

 

【落し物】(おとしもの)名詞 道で落し物を見つけたとき、それを交番に届けるかどうかの判断に困ってしまうのは、社会の規範を守りたいと思うものの交番での手続きの労力が明らかにその落し物の価値以上のものであるときである。まさかそれ以外で交番に届けるか否かの葛藤が生じる人はいないと信じたい。

 

【落とす】(おとす)動詞 命を落とすと致命的なので、お金や評判程度にしておくことをおすすめする。

 

【鬼の首】(おにのくび)名詞 取ったことにして仲間内で騒いで楽しむもの。しかし、いまだかつて誰も見た者はいない。

 

【鬼の首症候群】(おにのくびしょうこうぐん)名詞 能力・資質・才能等がほぼ欠落している者が、反省という行為の存在を知らなかったり教えられていないときに発症する。主に自尊や自負の構築と維持を目的として虚偽の言説を主張し、それにより衆人環視の中で公開自慰を行う。根源的な無知がその原因であるが、なにしろ根源的なので誰もどうすることもできない。(→鬼の首

 

【オノマトペ】(おのまとぺ)名詞 いつか必ず「オナペット」と人前で言い間違いそうで恐くてしかたない。(日本語にオノマトペが多いのは、日本人が自然の音を脳の言語処理領域で聞いているからだと勝手にわたしは考えている)

 

【お人よし】(おひとよし)名詞 国際社会における日本を表現した言葉。日本以外の国においては侮蔑語。日本においては自嘲語。

 

【溺れる】(おぼれる)動詞 学問に溺れると馬鹿になるし、酒に溺れると体を悪くするし、愛欲に溺れると人間関係をこわすし、水に溺れると死ぬ。藁をつかんでもあまり効果はないらしい。

 

【思い込み】(おもいこみ)名詞 わたしは12歳になるまで自分はばかじゃないと思い込んでいた。

 

【おもしろい】(おもしろい)形容詞 「あ。これ、いいな」と感じるのは、そこに「おもしろみ」があるからである。この「おもしろみ」を「興奮の度合い」という視点から見てみると、多くのおもしろさは「興奮させるおもしろさ」であるが、「清々しさ」を感じる「心地よい自然」や「静謐な宗教的領域」の「落ち着くおもしろさ」もあることがわかるだろうか。これを「安らぎ」と言い換えるとわかりやすいであろう。興奮度を座標軸とすることで、「興奮させるものこそがおもしろい」という思い込みから「おもしろさの拡張」という心理的操作が可能である。強い興奮は快楽を容易に導くが、「清々しさ」や「安らぎ」は幸福により近いかもしれない、と気づいてくれればそれでよろしい。

 

【おもしろそうだ】(おもしろそうだ)形容詞・助動詞 ある行為を始める動機が「おもしろそうだから」であるという理由で、その動機は不純だと考える人がいるらしい。人から「おもしろそうだから」という要素を含んだ動機を排除すると、あとは「それが必要だから」しか残っていないではないか。「必要」だけが行動の動機になる人生がどのようなものであるか、それすら考える能力がないのか。

 

【玩具】(おもちゃ)名詞 この世の中に「与えてはいけない玩具」は存在する。むしろより正確には「この玩具を与えられてはいけない種類の者が存在する」。

 

【折り合い】(おりあい)名詞 心理的な操作を指す場合、どれほど不満があろうと不動の現実の前ではそれを我慢しなければならない状況で、その不満を軽減するために人類が発見した方法の一つ。この操作がうまくいけばかなりの効果を発揮する。また、個人内の心理的操作ではなく外部になにかを働きかける行動としての場合、逆の立場で現実の条件を変化させることのできる側であれば、ほんの少し自分の利益を削減して相手を思いやる態度が相手に伝われば、長い目で見て双方の利益になることがあるので、常にその時々の最高の利益を追い求める姿勢が最良でないことを理解すべきであろう。

 

【オリンピック】(おりんぴっく)名詞 手段が目的になった典型的な人類の最大級の愚行。開催によって直接に利益を得るごく少数の者以外は実質的にほとんど意味がない。浪費される莫大な資金はもっと有効な使い方があるんだけど、人類はいつになったらそれに気づくのかな。ただしこれ、「オリンピック」が悪いわけじゃない。開催決定に影響力を持つ者たちが「愚かな連中の歓心を買う目的で決定し、行動している」ことであるという点に問題がある。

 

【愚かさ】(おろかさ)名詞 死ぬまで仲良くつきあっていかなくてはならない自己の属性のこと。決別するにはなるべく早く死ぬしか方法がない。

 

【温度計】(おんどけい)名詞 暑さや寒さを納得するために使用される器具。温度計が発明されるまでは人は納得することができなかったので、その暑さや寒さをただ我慢するしかなかった。

 

【女】(おんな)名詞 これで美人で賢くて人柄がよくてしまり屋であれば言うことはない。