あのんの辞典

 

 

「ゆ」

 

 

【優越感】(ゆうえつかん)名詞 他人の不幸という花を育てると、優越感という甘い果実を結ぶ。

 

【誘拐】(ゆうかい)名詞 誘拐という犯罪があるがこれは撲滅が容易な犯罪である。つまり「誘拐犯は射殺する」という方針で臨みそれを実行すればいいだけである。「誘拐された被害者の安全を第一に考える」から解決が難しい。常に誘拐犯の射殺を第一目標にする。初期のうちはおそらく被害者も巻き添えをくうだろうが、誘拐したら射殺されるという慣行が確立すれば誰も誘拐なんかしなくなる。問題があるとすれば、被害者の安全を第一にせよとわめく被害者の親族あたりがいることぐらいであろう。そのわめく者を殴って黙らせる警察官がいれば日本から誘拐という犯罪はなくなる。

 

【友好】(ゆうこう)名詞 こちらが友好を目的として好意的な態度で接すると、それを「高位者への低位者の振る舞い」や「朝貢」として受け取る文化のある国が日本近辺に遍在する。このことを知らない日本人は同じ日本人から馬鹿と呼ばれる。

 

【友情】(ゆうじょう)名詞 当事者同士の感情であり、第三者がとやかく言う必要がなく言うことができないはずのものであるにもかかわらず、ある行為にこの言葉を冠して許容される状態であることや正当性をでっちあげるのに使用される言葉。

 

【友人】(ゆうじん)名詞 愉快な相棒かよい助言者かのどちらか。両者を兼ねることはめったにない。

 

【優性遺伝】(ゆうせいいでん)名詞 仮に正直さや勤勉性が優性遺伝する民族があるとすれば、絶対に虚言癖や盗癖が優性遺伝する民族があるだろう。

 

【UFO】(ゆーふぉー)名詞 unidentified flying object の頭文字を並べた言葉。日本語訳では「未確認飛行物体」となる。第一の問題はそれが「飛行物体」であるかどうか。第二の問題は「未確認」にどのような意味を付与しているかである。わたしが草むらでお皿のような物を投げて、それを画像に撮り、誰かに見せたとする。その誰かはこれは空中を飛んでいるのだと認識する。そしてその誰かはこの飛んでいる物がなにかわからないので、立派なUFOが一つ出来上がる。

 

【幽霊】(ゆうれい)名詞 幽霊がこわいのは、生きている者のすることは見当がつくが、死んだ者は何をするかわからない、という知識の欠如に由来している。死んだ者が何をするかよくわかれば、幽霊なんてちっともこわくない(はずである)。

 

【誘惑】(ゆうわく)名詞 背徳を主成分とする誘惑は、そのほかのものを主成分とする誘惑にまさる。だって、ぞくぞくしちゃうんだもん。

 

【愉快犯】(ゆかいはん)名詞 刑法等で規制できない類の事実上の「愉快犯」は正当化という自己欺瞞を経て「確信犯」に至る。愉快犯であるうちなら自身の愚かさを自覚することで更生が可能だが、確信犯に成りあがってしまうと社会の紊乱と破壊を唯一無二の目的にして一生を送ることになる。確信犯により構成された集団や団体や組織は巧妙な手口で愉快犯を取り込み、「教育」によって確信犯に仕立て上げるのが常道である。精神の幼いあるいは未熟な者たちや、愚かさを判断する能力のない知的能力の低い者たちにとって、自分たちが「愉快犯」であることを認めたくはないだろうが、社会にはこれらの者たちを啓蒙する義務がある。即ち、われわれの住む社会を紊乱と破壊から守り、かつ「愉快犯」を更生させる義務がある。どのような集団や団体や組織が「愉快犯」を栄養源とし「確信犯」にするため「洗脳」しているか、を周知させるのも一つの方法であろう。

 

【輸出】(ゆしゅつ)名詞 犯罪者を輸出している国が好かれるわけがない。

 

【指】(ゆび)名詞 指ヒの無ィ尼を笑へは笑ふのみ(指の無い尼を笑えば笑うのみ)(『柳多留』初編7丁 「ヒ」は小さい「ヒ」)この句、世俗を超越した神々しいまでの色っぽさがある。

 

【夢の国】(ゆめのくに)名詞 夢の国への往復割引切符は、帰らなければいけない家がしかたなくある者向けや、結局もとのそこしか帰る場所がない者向けに、駅舎の片隅の目立たない窓口でかろうじて売られている。

 

【許す】(ゆるす)動詞 対象を無関心領域へ追いやること。ゆえに、拘泥したくてたまらない対象を許すのは不可能だし、最初からなんの関心もない対象はいくらでも許せる。

 

【許せない】(ゆるせない)動詞・助動詞 通常、許して欲しいとちっとも思っていない者に向って投げかけられる言葉。またしばしば、あるいはほとんど、この言葉は他人を許したことのない者によって発せられる。