あのんの辞典

 

 

「に」

 

 

【憎しみ】(にくしみ)名詞 善善及子孫、悪悪止其身(ぜんをぜんとししそんにおよぼし、あくをあくとしそのみにとどむ)。憎しみには憎しみの反応があり、無限循環を避ける知恵を人類は発見したが、三度の飯より人を憎むことが好きでたまらない者たちが近くに住んでいるとたいへん迷惑だ。(「至於媾倭一款、尤万万無理。日本則小邦先世之深仇、而隔海之外種也。雖強母不敵、姑与之羈縻、而既是我之仇邦、又非我之匹偶。今以童儒之●1、●2隷之賤、若指之為壻於倭、則亦必駭然而憤、怫然而怒。」『池北偶談』「朝鮮疏」。●1=馬偏に「矣」、●2=人偏に「臺」)

 

【憎まれっ子世に憚る】(にくまれっこよにはばかる)俚諺 もし各人に自分がその一員であると定められている集団に決して入っていたくないと考える賢さがあれば、とっくに消滅していたような集団はいくらでもある。

 

【偽物】(にせもの)名詞 知らなければ本物。だが、あとで偽物であることを知ると過去に遡って自分はばかであり続けたことになってしまう。また、知っていて本物として持つとうそつきだし、知っていて偽物として持つと卑怯者。偽物が出回るような物を選択しないというのも一つの方法かもしれない。

 

【二足の草鞋を穿く】(にそくのわらじをはく)成句 同時に正反対の意味を持つ行為の主体であること。どちらに転んでも結果としては利益になるが、かなり嘘をうまくつけないとかならず墓穴を掘る。しかし、その墓穴に自分は入るつもりはなく、別の生贄を身代わりに放り込む計画を練っている組織もある。

 

【日教組】(にっきょうそ)名詞 子供の頃に「日教組粉砕」の大きな文字を車体に書いた車を見て、なぜ粉砕しなければならないのかなと思った。日教組が何をしてきたか、日教組が何をしているか、日教組が何をするつもりでいるのか、を知ったとき、「日教組粉砕」では生ぬるいと思った。粉砕だったら、まだばらばらになった粉が残るではないか。

 

【二番煎じ】(にばんせんじ)名詞 せめて本歌取りだったら楽しめたかもしれなかったのにねえ。

 

【日本語】(にほんご)名詞 出生ののち言語を習得する時期に日本語の環境で育つと「自然の音を言葉として聞くことができる」ようになる。これは日本語の音韻の特徴がその理由で、「自然の音を言葉として聞くことができる脳の仕組み」が形作られるからである。四季の豊かな変化を肌で感じ、自然の囁きを耳にして日本人は育ってきた。そこからあらゆる存在物に魂が宿っているとの素朴でしかし確固とした日本人の感性が生まれた。さて、このことを知ったあと、もし生まれ変わることができるとすれば、あなたは何語を話すところに生まれ変わりたいだろうか。

 

【日本国】(にほんこく)名詞 日本国は日本人のための日本国である。決して日本国以外の国や日本人を構成員としない組織や集団のものではなく、日本国に害を及ぼす組織や集団のものではなく、また、日本国の存在理由はそれらの国や組織や集団に奉仕することではない。これ、「日本」を別の国の名前にしたら、あらゆる国にあてはまるんだけどね。

 

【日本人】(にほんじん)名詞 各構成員が他利的行動をとる傾向があればあるほど、社会全体の利益の総和は大きくなる。相互扶助が行き渡り、なにより安全と安定が結実する。幸運にも日本人の大多数はこの傾向があるので、平和な社会を築きやすい。温和・正直・公正・勤勉という日本の文化は人類全体が到達することが望まれる境地であるが、しかし不幸なことにこの地球上に日本人と似た傾向を持つ人々は非常に少ない。(→注釈

 

【日本人拉致事件】(にほんじんらちじけん)名詞

 眼鏡豚「責任者は処分した」

 日本人「責任者はおまえだろ」

 

【二枚舌】(にまいじた)名詞 ある国のある組織に入るためには舌が二枚必要で、その組織のなかで出世するためにはそれ以上の枚数の舌が必要らしい。

 

【女金男淫】(にょきんなんいん・じょきんだんいん)造語 金と色。男女ともにそれぞれに溺れるが、傾向として女は色から金に問題が移って破綻することが多く、男は金の問題より自らの性欲が基本的に破滅へ向かわせる。淡泊で堅実がよいと思う市井人のわたしである。

 女は金に死す。男は淫し過て死す。とかくに股庫の穴むざんや。(→注釈

 

【人気者】(にんきもの)名詞 笑わせる楽しみと笑われる恥しさの区別がつけばなれるかもしれない。

 

【人間】(にんげん)名詞 わたしは最近まで人間と人間以外の判別法を「生物学的人間」「法的人間」という線引きに基づく方法しか考えたことがなかった。やっと「文化的人間」という分類方法に気づき、生物学的・法的に人間であっても文化的に人間ではない存在を人間として見ないやり方を発見した。そして今までの疑問が氷解した。「文化的に人間として捉えてはいけないモノ」を人間として見ていた過ちゆえ、理解不能な状況を理解しようとし、しかし理解できていなかった以前の自分を反省しなければならない。いいかね、諸君。たとえ生物学的に人間であろうと、法的に人間であろうと、文化的に人間でないのなら「人間として認めてはいけない」。

 

【認識】(にんしき)名詞 認識の根源的様式に混乱している青少年たちよ。「存在」を考えてみなさい。行き着くべき場所に行き着ければ答が見つかるかもしれない。諸君の力量しだいだ。